事業を始めるにあたって知人などと一緒に立ち上げて行うことがありますよね。多分、ひとりで行うより気心の知れた知人と行うことにより、いろいろな相談ができる安心感などがあることからなのかもしれませんね。
共同事業は難しい?
しかし、結論からいうと資金や時間にも限りがある小規模事業、特にお互い自分たちがプレイヤーとして動くような事業での共同事業はとても難しいと思っています。
特に、こういった小規模事業の場合、見切り発車しがちで、事業計画も甘いことが多いです。こんな考えがあるのでしょう。
- 彼ならきっとやってくれる。
- 彼ならこの分野が得意だから大丈夫だろう。
- だから自分はこの分野だけ行おう。
このような考えを持っていませんか。この他にも色々な思いがあるでしょうが、どう考えても相手に期待を持ちすぎではないでしょうか。そして自分に多少甘くなっていないでしょうか。ほとんど知人を誘ってやってもらおうと思っている人のほとんどがこのような考えのはずです。
数少ない従業員の中で二人が同じ権限を持って同じレベルで事業を行うことは非常に難しいと思います。通常こういった小さなスタートは、全員が共同事業経営者の場合もあります。当然各自の意見もありますし、熱量もみな違うでしょう。
意見の食い違いで揉めてしまったり、徐々に面倒になり自然消滅していく現場を何度も見ています。実際によくあることです。
事業計画はしっかりしているか
事業を行う上で事業計画は作成しなければいけません。小さなプロジェクトだからなんとなくでスタートして走りながら考えれば良いと思う人もいるでしょう。これは大きな間違いです。どこへ向かうかもわからないままなぜスタートするのでしょう。行き着くところがないのにいまから限界まで走り続けろというのも無理な話です。ほぼ確実に途中で棄権するような状態になるのではないですか。
お互いにお金がない分を自身の体を使ってカバーし、しっかりと数字と向かい合って後に報われるなら良いですが、先の見えない中を闇雲に走り続けるのはあまり良くないと思います。
情熱はあるか
やはり、事業をする上でその事業にかける情熱がなければ続きません。ひとりが命をかけるくらいの情熱を持っていても、相方が片手間でやっているようでは、お互いの気持にギャップが生じて、なかなか難しいように思います。
俺は、必要な資金を出すから、あなたは実務をやってほしい。という場合もあるでしょう。これは、完全に共同事業ではありませんね。完全にこの時点で上下関係ができていますので、雇われている状態と変わりません。しかも実務する側は、下手するとブラック企業並みの環境と変わらない状態になるでしょう。はっきりいって最後は、お金を出したものが強いです。いくら自分が全てやったんだと言っても資金を出していないものは負けです。
本気で事業を行いたいならひとりでやれ
本気で事業を行いたいなら人を誘うのではなく、ひとりでやるべきだと思います。ひとりでやって不足部分に報酬を払ってサポートしてもらうべきなのでしょう。この場合、完全に仕事を発注する側と受注する側で明確になっていますのでなんのわだかまりもないですね。もしくは、しっかりと給与を払って従業員を雇って行ってみるのが理想ですね。
友人、知人だからこそお金を払ってやってもらうべきなのです。なぜ信頼できる友人知人をただもしくは安い賃金で苦労させて働かせようとするのでしょうか。たぶん、それは、友人でもなんでもありません、あなたはその人を見下している、もしくは見下されていると理解するべきです。
お金をかけずに儲けたい
多分、共同でやりたい理由の最も強い原因なのではないかと考えています。知人・友人ならお金をかけなくてもやってくれるだろうということです。自分の熱量が強いせいで相手もそれで納得できるだろうとこれだけの利益がでたら分配しようなどすべてが勝手な自分の思い込みで進んでしまっているように思います。
それでも信じて一緒にやりたい
それでも信じて一緒にやりたいと言うなら、このようなことは、お互いで最低限決めておきたいですね。
- 資金面
- 報酬
- 役割
だれがどのくらいの資金を出すのか、そして報酬はどうなるのか。そして、実際に業務としてどのようなことをお互いにやるのか役割を明確にしておく必要があります。これが明確になっていないと、俺はやったのにお前はやっていない。これだけやったのに報酬はこれだけしか無い。資金はこれだけ出したのに見返りが少なすぎるとか揉める原因になるでしょう。ですのでまずは、これら最低限のことは事前に決めておきましょう。
ふざけた話ではありますが、報酬などはうまく行ってから考えようという人もいます。なぜ事前に決めないのでしょう。うまくいくためにこの事業を始めるのです。事業計画やビジョン、戦略も無いのかも知れません。こんな状態で事業を始めていこうとするのはちょっと怖いですね。
これ以外にも決めておきたいことは出てくるかも知れません。必ず事前にお互いが将来を見据えて明確に決めてスタートしましょう。場合によっては、スタート時点でこれらを話し合うことにより、話が食い違って早い段階で事業の中止を決定することもできます。もしうまく話がまとまれば後は安心してお互いを信じてスタートすることができますね。
始めてしまった後から話がこじれてしまうのも嫌ですよね。
まとめ
共同事業になると友人、知人関係ではなく完全に仕事相手となります。関係は以前と異なる関係になるでしょう。できるならば、相手に過度な期待はせず、自分ひとりであくまで相手はサポート役に徹してもらうか、その部分だけを外部委託として対価を払うのが良いように思います。
あとは、こうした元々良い関係を壊したくないからこそ、そしてこれからも良きパートナーとしてやっていくために、ざっくりしたものではなく、しっかりと事前に事業計画や役割などを明確にしてすすめていきたいですね。