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正社員の無駄な労働時間について悩んでいる小規模企業社長へ【変形労働時間制】

小さな業務でスタートし、一人で起業される方は多いと思います。徐々に忙しくなってくると従業員を雇う必要も出てくるでしょう。

バイトでの数時間等で雇い入れる場合は、それほど気にする必要もないですが、やはり規模を大きくしていこうとすると1日8時間勤務などの正社員を雇い入れることも視野にいれることでしょう。

しかし、勤務時間などの法規制があり、その範囲内で人をマネジメントしていくことは、なかなか大変なことも多いです。

はっきりいうと、社長の立場と従業員の立場で考えが全く違います。

社長の立場と従業員の立場で見てみましょう。この他にも色々あるかと思いますが、各立場としての主な考えは正直なところ、このような感じではないでしょうか。

社長従業員
給与できる限り抑えたい高いほうが良い
業務多くこなしてほしい楽な方が良い
勤務時間時間内は、できる限り多く短いほうが良い
休憩短く、最低限長く

実際の立場は、対立状態です。このまま行なってしまうとうまくいかないでしょう。お互いに妥協できるところは妥協し、バランスを取っているのが実情ではないでしょうか。これは、仕事だけではなく、実際に世の中を見渡してみてもこのようなことが多いです。

そこで、社長の立場としては、法規制といったものがあるので、それを守ればよいのです。他社と比べて良いか悪いかという比較の部分は、あるでしょうが、従業員としても法規制通りしっかりとおこなっているのであればブラック企業だ、法律違反だと言われることはありません。

それが良くない会社だというならば、法規制を変えるしかありません。社長の立場としては、この法規制を守れば良いのです。というのも、資金のある大企業は、更に良い環境を提供できるでしょう。しかし、小規模企業の社長、特にこれから事業をさらに発展させていかなければいけない状態なのです。資金に余裕もあればよいですが、そう余裕もないのが実情でしょう。個人の資金を会社に投入している社長も多いと思います。

暇な時間にダラダラ従業員に過ごされるというのは、経営者としてもあまり気持ちの良いものではないですよね。

従業員の労働時間

労働時間は、休憩時間を除いた実労働時間のことです。労働者が使用者の指揮命令下にある時間のことをいいます。

労働時間の限度は、原則、1週40時間、1日8時間を超えて労働させることは、禁止されています。しかし、例外として、36協定、非常災害時など時間外労働、休日労働が認められています。他には、変形労働時間制、みなし労働時間制といったものもあります。

休憩時間は、労働から離れていることを保証されている時間をいいます。休憩中に電話番もお願いしたいと言ったものについては、休憩となりません。1日の労働時間が6時間までの場合、休憩を与える必要はありません。6時間〜8時間の場合、少なくとも45分。8時間を超える場合は、少なくとも1時間となっています。

一般的な9時〜17時で勤務されている場合は、45分休憩でよいのです。しかし、1時間休憩を与えられているということも多いと思いますが、それを知らずに従業員の方は当たり前のように過ごしていることもあるでしょう。それは、経営者が負担しているということになります。たった15分と思う方もいるでしょうが、15分でも20日間となれば大きな時間となります。300分=5時間です。5時間勤務してもらえるとしたら経営者としては、どれだけ助かることでしょう。休憩を終えたあと更に頑張ってほしいという経営者の思いもあることでしょう。

しかし、経営者の気持ちは、なかなか従業員には伝わらないものです。

労働時間の問題でたまにある困った話では、例えば、9時〜17時の勤務の会社で、当日用事が入ったため、従業員が勝手に早朝出社し、朝はやく出てきたから、早く帰らせろというものです。そんなルールは、元々ありません。前もって相談するならまだしも、経営者としては、勝手にそんなことをしてもらっては困ってしまいますよね。

早く出てきたところで会社として、業務にそれほどメリットが無ければ困るのです。従業員としては、働いている時間が同じだから良いだろうという気持ちなのでしょうが、経営者には予定があるのです。すべて計画の中で動いているのです。

このようなことで悩んでいる経営者は、変形労働時間制を取り入れることをおすすめします。

忙しくない時期は、早く帰ってもらって他の忙しい日にその日をあてることができたら良いですよね。

変形労働時間制

変形労働時間制には、フレックスタイム制、1ヶ月単位、1週間単位、1年単位の変形労働時間制があります。小規模の企業としては、1ヶ月単位の変形労働時間制がおすすめです。

フレックスタイム制や1週間単位、1年単位の場合、労使協定が必要になります。小規模企業は、届け出まで手が回らないこともあるでしょう。もちろん処理を行う余裕のある企業はそれでも良いと思います。自身の企業にあった変形労働時間制を使って良いでしょう。

1ヶ月単位の変形労働時間制

特におすすめは、1ヶ月単位の変形労働時間制です。これは、所定の事項について、労使協定の締結でも良いのですが、就業規則への記載でも良いです。10人未満の従業員の企業の場合で就業規則がない場合、従業員に周知させることで大丈夫です。

小規模企業である場合、あまり長期間であると無駄が出る可能性がありますし、あまり短すぎても手間などの負担が大きいように感じますので1ヶ月程度がベストなような気がします。自社の状況を見て選んでみると良いと思います。

通常8時間勤務のところ、暇なときは、6時間や7時間とし、忙しいときに9、10時間とするものです。このように閑散期の時間を繁忙期に回すことでトータルで労働時間を増やさないようにします。

例えば週初、週末が忙しいときは、その期間を長めの時間とし、それ以外の日を短めにするというものです。これであれば経営者も従業員も納得する場合があるのではないでしょうか。

このことを私が以前より知っていれば、こういった変形労働時間制を導入すればよかったなと思うことが多々あります。こういったことを知らなかったせいで従業員とトラブルになった経営者も多いのではないでしょうか。導入していればトラブルにならずに済んでいたこともあるでしょう。

この1ヶ月単位の変形労働時間制を導入するに当たって、変形期間の週平均労働時間が法定労働時間を超えないようにし、1ヶ月以内の変形期間、変形期間における各日及び各週の具体的な労働時間を定める必要があります。

1週間について40時間を超えない範囲にし、超えると残業手当等が必要になります。

例えば、通常8時間労働の場合、下記のような時間で定めておくと良いと思います。週始めと週末を長めの勤務になります。

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ただし、8時間を超える労働時間を定めた場合それを超えた場合、時間外労働となります。

また、事業主が業務の都合によって任意に労働時間を変更したりすることはダメなので注意しましょう。

それ以外のフレックスタイム制や、1年単位などは、小規模企業にとっては、かえってマネジメント上あまり効率的ではないような気がします。自社の状況に応じて検討してもよいかと思います。

結局、小規模企業経営者は、どうすれば良いのか

やはり、自分の会社にあったものを導入する必要があるのが前提です。しかし、変形労働時間制などを導入しても業務に支障が無いのであれば検討されるべきです。企業として良くなる可能性があるのであればぜひ導入してみてください。もちろん、事前にどの様になるのかテストシュミレーションしてみても良いかもしれないです。

普段8時間労働の場合は、9時始業、17時45分を終業として45分休憩で良いでしょう。そして、1ヶ月単位の変形労働時間制を導入してみても良いかもしれません。ほぼ一定の業務が同様に繰り返すような決まっている場合は、おすすめだと思います。

従業員の方は、これまで一般的な会社では、早く帰れるということは、あまり無いと思います。暇なときにダラダラと仕事をこなして、時間を無駄にするより、早く帰って家族と過ごしたり、勉強するなど従業員のプライベートを充実させてあげるのも良いかもしれません。当然忙しい時期はありますので、そういったときに頑張ってもらえるようにということはとても良いと思います。もちろん8時間を超える際は、1時間以上の休憩を取ってもらうようにしましょう。

結構人材マネジメントでのトラブルは多いです。最初からこういった仕組みが導入されていると経営者、従業員お互いの立場に妥協して取り組みが行えるのではないでしょうか。

ただ、将来的に余裕が出てきたら従業員に裁量をある程度持たせられるフレックスタイム制などにしていけるのが理想だと思います。

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