人材マネジメントに役立つ6つの動機づけ内容理論

動機づけ内容理論

従業員や部下のマネジメントをする上で動機づけの内容理論を知っておくと良いだろう。

動機づけの内容理論とは、人を動機づける要因に着目しており、人は何によって動機づけられるのかを解明しようとする理論である。内容理論には、欲求解説理論、ERG理論、達成動機理論、動機付け・衛生要因理論と言ったものがある。

その中でも有名な動機づけの内容理論6つを紹介したいと思う。これらを活用し、人材マネジメントに役立てていただきたい。

マズローの欲求階層理論

マズローが提唱した理論で、著書で人間性の心理学がある。

人間の欲求にはどのようなものがあるのかを明らかにした。マズローによれば人間の欲求は多元的でこのピラミッドのような階層構造をなしていると考え、それは全部で5段階に分けられるとした。

自己実現欲求 ※成長欲求ともいう。
自分自身を成長させ、なりたい自分になろうとするうちなる欲求。自分の能力や可能性を発揮し、なりたい自分や達成したい目標に近づきたいとする欲求

尊敬欲求 ※以降を欠乏欲求ともいう。
他者から自分の存在を認めてもらいたい、人から高い評価を得たい、人から尊敬されたいと言った欲求(自尊欲求、承認欲求)

所属と愛の欲求
他者と関わりたい、他者から好かれたい、集団や社会、組織に帰属したい、といった欲求

安全欲求
他者から危害を加えられず、安心・安全に生活をしたいという欲求

生理的欲求
食べる、寝る飲むなど、人間が生命を辞する上で必要な基本的な欲求

これらの5つの欲求は、ピラミッドの下から順番に階層をなされており、下の階層の欲求がある程度満たされるとその上の階層の欲求が現れてくると言われている。また、5つの欲求のうちの一番上の自己実現の欲求を除く、4つの欲求は、その欲求が満たされた瞬間欲求がなくなりさらに高い欲求を満たそうとすることから欠乏欲求と呼ばれている。また、一番上の自己実現の欲求は、常に満たされることはなく、更にもっと自分を成長させたい、自分を高めたい、能力を発揮したいなどの自己実現の欲求が高まっていくとされ、成長欲求と呼ばれている。

アルダファのERG理論

アルファファは、欲求階層理論を修正、発展し、ERG理論を提唱した。

以下の3つの頭文字をとってERG理論と言われている。

成長欲求 Growth needs
創造的でありたい、人間らしく生きたい、成長したいとする欲求

関係欲求 Relation needs
人間関係を良好に維持、発展させたいとする欲求

生存欲求 Existence needs
人間が生存する上で必要な生理的、物質的、安全の欲求

3つの欲求は、必ずしも段階的に現れるのではなく、低次の欲求が満たされなくても高次の欲求が生じることもある。高次の欲求が満たされなければ、交代して、定時の欲求が強くなることもある。複数の欲求が同時に存在したり、並行して生じることもある。

マズローもアルダファも、人は何によって動機付けられるかに関する理論を構築し、その後の動機付け研究を切り開く貢献をしたのである。

マクレガーのXY理論

ダグラス・マクレガーのXY理論は、人間の持つ承認の欲求や自己実現の欲求を実現し、それをマネジメントに応用した人物である。

著書に企業の人間的側面がある。
人々が仕事にどのような考え方を持っているのか二つの考え方を提示した。

X理論 = ナマケモノ
平均的な人間は、もともと働くのが嫌いで、イヤイヤ仕事をしているものだ
平均的な人間は、強制されたり、脅かされたりしなければ幡羅カニものだ
平均的な人間は、命令されることを好み、責任を回避しようとし、あまり野心を抱かず、安全を望んでいるものだ。

人間は、本来ナマケモノで、強制や統制、メイリをされたり、監視や処罰などの脅しがなければ、十分な力を出さないとし、性悪説的な人間観で見ている。

Y理論 = ハタラキモノ
人間は生まれつき仕事が嫌いなのではない。仕事は遊びや趣味と同じようなもので、条件が整えば、人は進んで働く。
人は自分で建てた目標については、自己管理、自己統制ができる
目標達成への行動は自我の欲求や自己実現の欲求が重要である
人は条件さえ整えば、自ら責任を果たそうとする
大抵の人には創意工夫をする能力が備わっている
平均的人間のもつ知力の潜在的可能性は、ほんの一部分しか活用されていない

人間は、本来自分の成長や自己実現を望む存在であり、自ら設定した目標に対しては、その達成に向け、一生懸命働く存在である。
また、条件が整えば人は責任を引き受け、自ら進んで責任を取ろうとする存在であり、性善説的な人間観で見ている。

X理論・Y理論に基づくマネジメントの違い

X理論・・・人間は生来、ナマケモノであり、仕事をするのが嫌いである。
マネジメントのあり方は、アメとムチを併用し、部下を仕事に向かわせるために細かな指示と命令、行き届いた監督を行うことが良いであろう。

Y理論・・・人間は、本来的に成長を望む存在である。
部下を能動的に仕事に動機付けていくアプローチで、納得できる目標設定、権限委譲、仕事の充実感などによって部下を動機づけることが良いであろう。

ただし、全ての場面でY理論が適用されるとは限らず、仕事の内容、個人の成熟度などによってはX理論が有効なケースもある。マネジメントの対象となる部下の状況などをよく見極め、有効なアプローチを選択することが必要である。
マネジメントの対象となる部下の状況をよく見極めて有効なアプローチを選択することが必要となる。

マクレランドの達成動機理論

心理学者でイビッッド・マクレラランドが提唱したもので、仕事の動機付けに影響を及ぼす3つの欲求を提示した。

1 達成欲求
高い水準で目標を達成しようとする欲求

2 権力欲求
職場でより上位の少尉や指導的な立場に立ちたいという欲求

3 親和欲求
職場などの集団に所属し、良好な対人関係を築きたいという欲求

達成欲求は、内的な報酬を伴う
達成欲求が特に重要・・・外的な報酬ではなく、内的な報酬=達成感(心理的満足)を伴う

自分の可能性を自分で切り開こうとする
中程度のリスク・達成率の仕事を選ぶ
自分の行動に対してフィードバックを求める

ハーズバーグの衛生要因理論

アメリカの臨床心理学者のフレデリック・ハーズバーグが提唱し、二要因理論とも呼ばれる

ハーズバーグの行った調査によって、従業員の
1 職務満足感を高める要因(動機づけ要因)
2 職務不満足を高める要因(衛生要因)
の存在が明らかになった。

衛生要因とは、管理者、会社の政策・方針、作業条件、上司との人間関係、同僚との人間関係、職務保障、給与などで、不備があると、従業員の不満に繋がる要因となる。

管理者の質が低い

経営計画方針が不明確

職場の人間関係が悪い

給料が低い

これらの要因が整っていれば従業員の不満の発生が抑制できる。
衛生要因を改善すれば従業員の不満は是正されるが、不満な状態が不満ではない状態になるだけで、従業員の職務満足の向上にはつながらない。

動機づけ要因とは、達成、達成の承認、仕事そのもの、責任、昇進、成長の可能性などのことで、従業員の職務満足につながる要因である。

目標達成!

成長したい。

動機づけ要因が整っていると従業員の職務満足が向上する。
動機づけ要因が整っていないと満足でない状態になるが、動機づけ要因が満たされなくても、従業員の不満は大きくならない。

満足と不満は同一次元にあるわけではない。
仕事に満足を与える要因(動機づけ要因)と仕事に不満をもたらす要因(衛生要因)は異なる

施策の方向性として、
1 衛生要因を改善し、やる気を削がないための方策を立てる
2 職務充実(ジョブ・エンリッチメント)を図り、やる気を高めるための施策を立てる
などの方向性で行うことが望ましい。

企業には、衛生要因の各要素を改善することに加え、動機づけ要因の観点から仕事の質を高めていくこと(職務充実を図っていくこと)が求められる。

動機づけ内容理論のそれぞれの関係性

動機付けの内容理論の各理論は、全く質が異なるものではなく、互いに概念が類似しているところにあり、高次の欲求によって動機付けられた人ほど、成長が期待できる。人材マネジメントでは、高次の欲求を持つ従業員を育てるための働きかけが鍵となる。

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