あなたが自分の主張を伝え、相手に受け入れてもらいたい場面は日常、仕事でもよくあるだろう。自分の目的を達成させるために説得させなければならない時がある。3つの説得方法を見ていこう。
3つの説得方法
あなたが相手を説得するための方法として以下の3つがある。
- 功利的説得
- 規範的説得
- 感情的説得
功利的説得
功利的説得は、ビジネスの世界でもよく使われる。こちらの考えのほうが得になり、相手の考えは、損になるという道筋を立てて説明する方法である。
結果、どちらが得になるのかを考え、お互いの損得を論理的に比較検証するのでわかりやすい。
規範的説得
規範的説得は、論理、道徳、道義、モラル、マナーなどの社会的な規範を提示し人間としてふさわしい方法、善悪の構図で説明するものである。
同じ価値基準同士のものであれば説得力があるが、逆に国際的、異業種、世代の違ったものの場合、価値観が異なるとうまくいかないことがあるので注意が必要である。
感情的説得
感情的説得は、好きなのか嫌いなのか。心地よいことであるか、不快であるか。などといった感情に訴えそれを受け入れてもらう方法である。
説得力は高くないが、相手や状況によって思わぬ効果を発揮することがある。
功利的説得でうまくいかない時、規範的説得を行う。規範的説得がうまくいかない時は、感情的説得にといったように、功利的説得→規範的説得→感情的説得という流れで行うことになるようである。
説得には致命的な問題もある
ただし、説得には、致命的な問題がある。人は、説得されると抵抗するという心理が働くのである。こちらが説得しようとすると、相手もこちらを説得しようとする。お互いの価値観があり、思うように納得してもらえない。両者に圧倒的な説得力の差がなければ決着がつかないこともある。
この場合、決裂するか妥協することになる。お互いに駆け引きを通じて説得と譲歩を繰り返しどこかで手打ちをすることになる。こういった駆け引き型の話し合いでは、結局不満が多少残り、特に妥協からは本当の納得は生まれないのである。本質的な解決、創造的なことにも結びつかなくなる。
どのような方法を使うにしても、協調的にどちらも満足できるような本質的な解決策を考えることが重要になるのだろう。