Webアプリ開発を始めようとされる方で、特にPHPフレームワークの「Laravel」を使った開発に興味がある方も多いのではないでしょうか?Laravelはそのエレガントな記法と豊富な機能で、効率的なWebアプリケーション開発を強力にサポートしてくれます。
しかし、Laravelでの開発を始めるには、いきなりサーバー環境で開発するというより、まずローカル開発環境を整えたほうがよいでしょう。この記事では、Windows環境を想定し、手軽に開発環境を構築できるXAMPPと、PHPの依存関係管理ツールであるComposer、そして主役であるLaravelのダウンロードからインストール、基本的なセットアップまでを、初心者の方にも分かりやすく解説します。
さあ、一緒にLaravel開発の第一歩を踏み出しましょう!
ステップ1:XAMPPをダウンロード&インストール – 開発環境の土台を築く
XAMPPは、Apache、MariaDB (MySQLのフォーク)、PHP、Perlがセットになった開発環境パッケージです。これをインストールすることで、Webサーバー(Apache)とデータベースサーバー(MariaDB)が手軽に手に入り、PHPを動かす準備が整います。
- XAMPPのダウンロード: まず、Apache Friendsの公式サイト(
https://www.apachefriends.org/ja/index.html
)にアクセスします。お使いのOS(Windows、macOS、Linux)に合ったXAMPPの最新版をダウンロードしてください。通常はWindows版をダウンロードすることが多いでしょう。 - インストーラーの実行: ダウンロードした
.exe
ファイルを実行します。 - インストール時の注意点:
- UAC (ユーザーアカウント制御) の警告: インストール中にUACに関する警告が表示されることがありますが、続行してください。
- アンチウイルスソフト: アンチウイルスソフトがインストールに干渉する場合があります。一時的に無効にすることをおすすめします。インストール完了後に再度有効にするのを忘れないでください。
- インストール先の選定: デフォルトでは
C:\xampp
にインストールされます。特別な理由がなければ、このまま進むのがおすすめです。Program Files
などのシステムフォルダにインストールすると、権限の問題が発生することがあります。 - コンポーネントの選択: Apache、MySQL、PHP、phpMyAdminは必須です。その他はお好みですが、最初はすべて選択しておいても問題ありません。
- インストールの実行と完了: 設定が完了したらインストールを開始します。数分かかることがありますので、完了まで待ちましょう。インストール完了後、「Do you want to start the Control Panel now?」にチェックが入っていることを確認して「Finish」をクリックします。
- XAMPPコントロールパネルの起動と確認: XAMPPコントロールパネルが起動します。ApacheとMySQLのモジュールの「Start」ボタンをクリックして、それぞれステータスが緑色になれば成功です。もしエラーが発生する場合は、ポートの競合などが考えられます。Skypeなどが80番ポートを使用している場合があるので、設定を確認してみてください。
- 動作確認: Webブラウザを開き、アドレスバーに
http://localhost/
と入力してアクセスします。XAMPPのダッシュボード画面が表示されれば、Apacheが無事に起動しています。
ステップ2:Composerをダウンロード&インストール – PHPのライブラリ管理
Composerは、PHPのプロジェクトで必要なライブラリやフレームワーク(Laravelも含む)の依存関係を管理するためのツールです。LaravelをインストールするためにComposerは必須となります。
- Composerのダウンロード: Composerの公式サイト(
https://getcomposer.org/download/
)にアクセスします。「Windows Installer」セクションにあるComposer-Setup.exe
をクリックしてダウンロードします。 - インストーラーの実行: ダウンロードした
.exe
ファイルを実行します。 - インストールオプション:
- 「Install for all users (recommended)」を選択して次へ進みます。
- PHPの実行ファイルの指定: ここが重要なポイントです。XAMPPにインストールされているPHPの実行ファイル(
php.exe
)の場所を指定する必要があります。通常はC:\xampp\php\php.exe
になります。自動で検出されることが多いですが、異なる場合は「Browse」ボタンをクリックして手動で指定してください。 - プロキシ設定は通常不要です。そのまま次へ進みます。
- インストールの実行と完了: インストールを開始し、完了を待ちます。完了画面が表示されたら「Finish」をクリックします。
- インストール確認: ここで注意が必要です! Composerのパスがシステム環境変数に追加されますが、既に開いているコマンドプロンプトやPowerShellには反映されません。一度全てのコマンドプロンプト/PowerShellのウィンドウを閉じ、再度開き直してください。 新しいコマンドプロンプトを開き、
composer --version
またはcomposer -v
と入力してEnterキーを押します。Composerのバージョン情報が表示されればインストール成功です。
ステップ3:Laravelをインストール – 最新フレームワークの導入
Composerの準備が整ったので、いよいよLaravelをインストールします。Composerを使ってLaravelのインストーラーをダウンロードし、それを使ってLaravelプロジェクトを作成するのが一般的な流れです。
- コマンドプロンプトを開く: 新しいコマンドプロンプトを開きます。(ステップ2のインストール確認のために開き直したものでOKです)
- htdocsディレクトリへの移動: XAMPPのApacheがWebサイトのファイルを読み込むデフォルトのディレクトリは
htdocs
です。Laravelプロジェクトをこのディレクトリ内に作成するのが一般的です。以下のコマンドでhtdocs
ディレクトリに移動します。 Bashcd C:\xampp\htdocs
(もしXAMPPを別の場所にインストールした場合は、そのパスに合わせてください。) - Laravelプロジェクトの作成: Composerを使って新しいLaravelプロジェクトを作成します。以下のコマンドを実行してください。「
your-project-name
」の部分は、作成したいプロジェクトの名前に置き換えてください(例:my-laravel-app
)。 Bashcomposer create-project laravel/laravel your-project-name
このコマンドを実行すると、ComposerがLaravelの最新版とそれに必要な依存関係をダウンロードし、指定した名前のディレクトリ内に新しいLaravelプロジェクトを構築します。これには少し時間がかかります。 - プロジェクトディレクトリへの移動: プロジェクトの作成が完了したら、作成されたプロジェクトディレクトリに移動します。 Bash
cd your-project-name
- Laravel開発サーバーの起動: Laravelには、開発用の簡易Webサーバーが組み込まれています。以下のArtisanコマンドを使って起動できます。 Bash
php artisan serve
このコマンドを実行すると、「Starting Laravel development server: http://127.0.0.1:8000」のようなメッセージが表示されます。 - Laravelアプリケーションの確認: Webブラウザを開き、表示されたアドレス(例:
http://127.0.0.1:8000
)にアクセスします。Laravelのウェルカムページが表示されれば、Laravelのインストールと起動が成功です!
まとめ
これで、あなたのローカル環境にXAMPP、Composer、そしてLaravelの基本的な開発環境が整いました。
- XAMPP: Webサーバー(Apache)とデータベース(MariaDB)を提供し、PHPを実行できる環境を作ります。
- Composer: Laravelやその他の必要なライブラリを簡単にインストール・管理できるようにします。
- Laravel: 効率的で堅牢なWebアプリケーション開発のためのフレームワークです。
この環境があれば、Laravelを使ったWebアプリケーションの開発をすぐに始めることができます。データベースの設定やルーティング、MVCモデルに基づいた開発など、Laravelの様々な機能を学びながら、あなたのアイデアを形にしていきましょう。
もし途中でエラーが発生したり、うまくいかない場合は、表示されるエラーメッセージをよく読み、インターネットで検索してみることをおすすめします。多くの開発者が同じような問題に遭遇し、解決策を共有しています。
これで、あなたのLaravel開発の旅が始まります。楽しんでコーディングしてください!